VMware何を知りたくてベンチマークを取っているか
ここでは、VMware Horizon View(現VMware Horizon)という、仮想デスクトップ製品(VDI)で構築したWindowsクライアントのベンチマークを掲載しています。理由は自分自身がVDI製品を販売していく上で、実体としての性能を正確に知りたいからと、あとは趣味です。
ゲスト名は(WCn)です。Windows Clientの略で、特に捻りはありません。どういう層が見ているかわからないので、仮想化基盤についても簡単に説明します。
<比較内容の簡単な説明>
(1)WC1(SSDホストキャッシュ有・View Storage Accelerator有)とWC1(SSDホストキャッシュ無・View Storage Accelerator無)の比較
SSDキャッシュを構成した場合、どれくらい性能が向上するのかを見ることができます。SSDで構成した場合、確かに性能が向上しますが、ゲストOSの数が少ないとView Storage Acceleratorが逆に性能向上を阻害していまうことがわかりました。
(2)WC1とWC2の比較
古いESXiホスト(Core i7 920 2.67GHz)に構成されているWC1と、新しいESXiホスト(Core i7 3930K 3.2GHz)に構成されているWC2の差を見ることができます。アーキテクチャでいうと、NehalemとSandy Bridge世代の比較です。
(3)WC1、WC2と、WC3、WC4の比較
WC1、WC2はネットワークカード(NIC)にe1000eを利用しています。WC3、WC4はネットワークカードにVMXNET3を利用しています。e1000eはIntelのNICをエミュレーションしたものです。VMXNET3は、準仮想化で実装されたNICです。基本的にe1000eよりもVMXNET3のほうが、ESXiホストに負担をかけない造りになっています。
WC1(旧ESXi、e1000e、SSD有)WC1 no SSD(旧ESXi、e1000e、SSD無)WC2(新ESXi、e1000e、SSD有)WC2 no SSD(新ESXi、e1000e、SSD無)WC3(旧ESXi、VMXNET3、SSD有)WC3 no SSD(旧ESXi、VMXNET3、SSD無)WC4(新ESXi、VMXNET3、SSD有)WC4 no SSD(新ESXi、VMXNET3、SSD無)比較まとめ
長いタイトルだ。整理すると下記になる。今回は一気に比較する。
ホスト名 | 旧ESXi | 新ESXi | SSDホストキャッシュ | NIC |
wc1 | ○ | ○ | e1000e | |
wc1no SSD | ○ | ☓ | e1000e | |
wc2 | ○ | ○ | e1000e | |
wc2 no SSD | ○ | ☓ | e1000e | |
wc3 | ○ | ○ | VMXNET3 | |
wc3 no SSD | ○ | ☓ | VMXNET3 | |
wc4 | ○ | ○ | VMXNET3 | |
wc4 no SSD | ○ | ☓ | VMXNET3 |
プロセッサとハードディスクに違いは出たけど、あとは大きな違いは出ず。おおまかな指標という評判通りの数値が出ている。
Super Pi
仮想コア1個のため、CPUの性能が素直に出ている。
iometer(3回計測して最も良いものを採用)
WC2とWC4(両方SSD有り)と思ったが、WC2SSD有りと、WC4SSD無しがトップ。計測にばらつきが出た。
CrystalDiskMark
左から1000MB、2000MB 、4000MBの性能結果。旧ESXi(SATA2)はSSDにしても効果はあまり反映されず、新ESXi(SATA3)はSSDで大きな効果が出ていた。ただ、新PCはSSD有無で違いがあまり見られなかった。
CrystalMark。バージョンは2004R3(0.9.126.452)
PC Watchで利用していたため、評価用に導入してみたが、CPU、メモリの素直な値が出た。HDDについては旧ESXiと新ESXIの性能差が素直に出た。GPU関連の数値に関しては、今後重要になってくると思われる。
iperf
e1000e(WC1、WC2)とVXNET3(WC3、WC4)で大きな違いが出るかと思ったが、確かに差は出たが大きな差ではなかった。これはESXiホストのCPU使用率を見たほうが良いかもしれない(準仮想化のVMXNET3の方がホストへのCPU負荷が低いと言われている)。今度の課題としておく。
3DMark7
WC1(SSD無)WC2(SSD有)が良すぎるがDQXのベンチマークの時にキャラクタが表示されなかったので、一部の3Dベンチマークが表示されず、結果として高い数値が出たと推測される。
Peacekeeper
ブラウザベースのベンチマークだが、新旧のESXiの性能差が素直に出た。ブラウザなのでHDDやNICはあまり関係ないようだ。
ドラクエX
前述したが、WC2はDQXのキャラクタが表示されずベンチマークが走ったため、結果として高い数値が出ているが、WC4はキャラクタが正常に表示されていたため、こちらが正と考えたほうが良いようだ。
FF11(高解像度)
こちらもWC2では一部キャラクタが表示されなかったと思われる。ただDQXと違い、見た目では気づかなかった。
新旧ESXiの比較はこれで一区切り。次はNVIDIA VGXであるGRID K1のvSGAを検証してみたいと思う。比較対象は新ESXiのSSD有りとvSGAを比べてみたい。
新ESXiサーバのベンチマーク結果 1コア、2GBメモリ、ソフトウェア3DGPU(512MB)、VXNET3、SSDホストキャッシュ無し
ここに公開しているのは、VMware Horizon View 5.3でのベンチマーク結果です。ここから見た人用に環境を書いておきます。ホストの環境は過去記事をご参照ください。
ゲストOS:Windows8.1Pro x64(2015年1月までのパッチを適用)
ゲストOS名:WC4 no ssd
仮想CPU:1
メモリ:2GB
HDD:32GB
GPU:ソフトウェア3D(VRAM 512MB)
NIC:VXLAN3(以前のベンチ結果はe1000eのため、ここが主な変更点)
実行VMware:新ESXi
SSDホストキャッシュ:無し(これが前回からの変更点)
Super Pi
iometer(3回計測して最も良いものを採用)
CrystalMark。バージョンは2004R3(0.9.126.452)
iperf
[ ID] Interval Transfer Bandwidth
[ 3] 0.0-10.0 sec 887 MBytes 744 Mbits/sec
3DMark7
FF11(高解像度)は1027
新ESXiサーバのベンチマーク結果 1コア、2GBメモリ、ソフトウェア3DGPU(512MB)、VXNET3、SSDホストキャッシュ有り
ここに公開しているのは、VMware Horizon View 5.3でのベンチマーク結果です。ここから見た人用に環境を書いておきます。ホストの環境は過去記事をご参照ください。
ゲストOS:Windows8.1Pro x64(2015年1月までのパッチを適用)
ゲストOS名:WC4
仮想CPU:1
メモリ:2GB
HDD:32GB
GPU:ソフトウェア3D(VRAM 512MB)
NIC:VXLAN3(以前のベンチ結果はe1000eのため、ここが主な変更点)
実行VMware:新ESXi
SSDホストキャッシュ:有り
Super Pi
iometer(3回計測して最も良いものを採用)
CrystalMark。バージョンは2004R3(0.9.126.452)
iperf
[ ID] Interval Transfer Bandwidth
[ 3] 0.0-10.0 sec 917 MBytes 769 Mbits/sec
3DMark7
FF11(高解像度)は1028
旧ESXiサーバのベンチマーク結果 1コア、2GBメモリ、ソフトウェア3DGPU(512MB)、VXNET3、SSDホストキャッシュ無し
ここに公開しているのは、VMware Horizon View 5.3でのベンチマーク結果です。ここから見た人用に環境を書いておきます。ホストの環境は過去記事をご参照ください。
ゲストOS:Windows8.1Pro x64(2015年1月までのパッチを適用)
ゲストOS名:WC4 no ssd
仮想CPU:1
メモリ:2GB
HDD:32GB
GPU:ソフトウェア3D(VRAM 512MB)
NIC:VXLAN3(以前のベンチ結果はe1000eのため、ここが主な変更点)
実行VMware:新ESXi
SSDホストキャッシュ:無し(これは前回からの変更点)
Super Pi
iometer(3回計測して最も良いものを採用)
CrystalMark。バージョンは2004R3(0.9.126.452)
iperf
[ ID] Interval Transfer Bandwidth
[ 3] 0.0-10.0 sec 887 MBytes 744 Mbits/sec
3DMark7
FF11(高解像度)は1027
旧ESXiサーバのベンチマーク結果 1コア、2GBメモリ、ソフトウェア3DGPU(512MB)、VXNET3、SSDホストキャッシュ有り
ここに公開しているのは、VMware Horizon View 5.3でのベンチマーク結果です。ここから見た人用に環境を書いておきます。ホストの環境は過去記事をご参照ください。
ゲストOS:Windows8.1Pro x64(2015年1月までのパッチを適用)
ゲストOS名:WC3
仮想CPU:1
メモリ:2GB
HDD:32GB
GPU:ソフトウェア3D(VRAM 512MB)
NIC:VXLAN3(以前のベンチ結果はe1000eのため、ここが主な変更点)
実行VMware:旧ESXi
SSDホストキャッシュ:有り
Super Pi
iometer(3回計測して最も良いものを採用)
CrystalMark。バージョンは2004R3(0.9.126.452)
iperf
[ ID] Interval Transfer Bandwidth
[ 3] 0.0-10.0 sec 916 MBytes 768 Mbits/sec
3DMark7
FF11(高解像度)は747
CrystalMark 2004R3(0.9.126.452)の計測結果を追記しました
旧ESXi(SSDキャッシュ有り)、新ESXi(SSDキャッシュ有り)、旧ESXi(SSDキャッシュ無し)、新ESXi(SSDキャッシュ無し)の結果に、CrystalMark 2004R3(0.9.126.452)の計測結果を追記しました。このベンチマークはPC Watchで利用されているため、他のクライアントPCを比較可能な資料として、計測し、追記しました。
計測期間は3/23~3/25ですが、Windows Updateは2015/1で止めており、それ移行のパッチはインストールしていないため、計測時と同じ環境で実施したものとします。